焼肉と言えばカルビ!中バラ肉について徹底解説します(前編)

牛肉の部位について特徴解説シリーズ

こんにちは!シンタロウです。

焼肉と言えば1にも2にもとにかくカルビ!もう焼肉の代名詞と言っても差し支えないくらいポピュラーな牛肉ですよね。

このカルビって韓国語で「牛の肋骨」もといその周りのお肉という意味なんですが、日本では正式には牛バラ肉と呼ばれています。

焼肉店に行くと霜降りの部位はなんでもカルビとメニューに書いてある店が多いですが、実はちょっと違います。食べる方からしたら霜降り=カルビという認識の方が多いのでそれを肉屋としてどうこう言うつもりはないんです。

が、折角牛肉に興味を持ってこの記事を見てもらっているんで、今回は正確なバラ肉とはなんたるかをお伝えしようと思います。

馴染みがあるようで、実は知らない牛バラ肉、マニアックな程語りますのでよかったら最後までお付き合いください。今回の記事では

1、バラ肉の特徴

2、オススメの料理

3、僕と牛バラ肉の小話

4、バラ肉からとれる希少部位

という構成でお伝えします。ではどうぞ!

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バラ肉ってどこの部位?

今回バラ肉についてお話しするんですが、バラ肉と言ってもすごく大きい部位(バラ肉だけで30kg以上あります)なんで、前編と後編に分けさせていただきます。

というのもこの牛バラ肉「中バラ」「外バラ」に分かれるんです。今回の記事では「中バラ」についてお話ししますね。

この4つに分けた上2つ(青で囲ったもの)が中バラです。めちゃくちゃデカイ!!

で、まずいつも通りバラ肉の場所なんですが

この青丸のところ、牛のお腹ですね。

お腹と言うと人間でもそうなんですが、ふくよかな方であればたっぷりと脂肪がついていますよね。牛も同じで、基本的にみんな太っているんでたくさんの脂がついています。

特に今回紹介する、中バラはもう一つの外バラと比べて脂が多いです。というかほぼ脂です。

そんな中バラですが、もちろんちゃんと食べるところはあります。

例えば焼肉店でカルビ、上カルビ、特上カルビがあったとします。多分よくあるメニューだと思いますが、その中でも普通のカルビとしてだされていることが多いのが、この中バラです。

ちょっと脂の多い値段が低めのお肉、あれがそうですね。

見た目の脂が多いんで、「ウッ」ってなるかもしれませんが、BBQなんかでは大活躍です。

次にこの中バラおすすめの料理法を紹介しますね。

バラ肉おすすめの料理方法を紹介

まず言わずもがな、焼肉として食べるのは鉄板ですね。ただ、ここで気をつけたいのが必ず網焼き等の脂が下におちる方法で食べないと残念なことになるよってことです。

先ほどから何度も言っているように、この中バラはとにかく脂の多い部位です。そんな脂の多い肉をホットプレートで焼こうものなら脂の海に肉を沈めているんじゃないかと錯覚するくらい悲惨なことになります。

なので、僕がこの部位を売るときは必ずお客さんに網焼きなのかホットプレートなのかを聞く様にして、ホットプレートで焼く人には売らない様にしています。いじわるかもしれませんが、ホットプレートで焼くとぜっっったい!!に後悔するからです。

その一方で網焼きやBBQの方にはガンガンプッシュします。仮に炭焼きなんかで食べた日にはご飯が鬼の様に進みますからよ!(お酒が好きな人はお酒でしょうが、僕はアルコールダメ人間なんでお米推しです)

そしてもう一つおすすめの料理法がビーフシチューなんかの煮込み用です。

具体的な料理方法に関しては、他に素晴らしいサイトがあるのでここでは割愛します。

最初に少し触れましたが、バラ肉ってカルビ(肋骨の周りの肉)なんで、味がすごーく濃いです。さらに脂が多いので煮込めばその脂がプルプルになります。そこで煮込み用としての出番というわけですね。他にも煮込み用と言えばスネ肉や赤身のもも肉なんかが代表的ですが、この脂のプルプル感はバラ肉にしかだせません。

うちのいくつかの取引先のホテルのシェフなんかは、このバラ肉をビーフシチューに好んで使うことが多いですね。

なんだかんだ脂が多いと言っても、やっぱりこの中バラ肉の最大の特徴は脂です。その持ち味を活かした焼き方、料理方法が一番ということです。

そしてこの中バラなんですが、扱うのが難しい部位としても肉業界で有名です。

そこで僕のエピソードをちょっと語ります。

いや、エピソードはいいから肉について教えてよ

お願いします。語らせてください。それくらいこの肉って大変なんです。その肉屋さんの苦労を少しでもわかっていただけるだけで満足です!

バラ肉は肉屋のセンスが問われる部位?!

なかば、無理やり記事の中に組み込んだ形になりましたが、この肉について小話をば。

バラ肉というものは、基本的には一番需要があるのはBBQが盛んな夏場です。

で、冬場はというとびっくりするくらい売れないんですね。もうね、動かざること山の如しってくらい売れないです。

でも1頭単位で仕入れしていた時(俗に言う1頭買いです)は、そんな肉屋の事情おかまいなしに、入荷されるんです。だってバラ肉=お腹のない牛なんていませんから。

そこで、なんとかして売ろうとするんですが、無理やり売るために切り落としにしちゃって適正価格で売れないという肉屋あるある状態に陥ってしますんです。

僕がお店の利益管理を任されていた時があったんですけど、このバラ肉の在庫に圧迫されて

「もう全部切り落としにしよう!今日は店長いなから今日中に全部始末しよう!」

なんて言って暴挙にでたんです。すると数字というものは、正直なんですね。全て店長にばれましたよ。。怒られるならまだよかったんですが、

「バラ肉っていうのはセンスだからさー、これが上手く使えない奴は肉屋としてのセンスがないよね。」

と言われました。いやーショックでしたね、その時点で持っていた肉屋としての自信はうちくだかれました。

その日からお肉の専門学校を卒業して以来、お肉について必至でもう一度勉強しなおしたのを覚えています。

それくらい、肉屋にとって大事なバラ肉。僕がそこで学んだ中バラ肉からとれる希少部位というやつを次で紹介します。(無理やり次に繋げた感がすごい!)

バラ肉(中バラ)からとれる希少部位を紹介します

牛肉っていろんな部位から希少部位というやつがとれるんですが、この中バラも例外ではありません。

この中バラからは主に、カイノミゲタ(中落ち)という部位がとれます。

まずカイノミですね。この画像がカイノミです。

貝の身みたいな形をしているからカイノミって言われてます。そのままですね。

肉質的には柔らかく、噛み応えも心地いいのでステーキや焼肉で食べるのがオススメです。

牛肉の小割ショーというものをやって目の前で切る即売会をやっていたことがあるんですが、このカイノミは知名度が最近上がってきているのか、いつもすぐ売り切れていました。

実際僕も食べて美味しいと思いますし、希少部位と呼ばれるお肉の中でも間違いなくオススメできるシロモノです。

次ににゲタ(中落ち)です。

まぐろの中落ちというのはこれを読んでいるあなたも聞いたことがあると思います。この中バラの中落ちも同じで骨と骨の間の肉のことです。(さすがに魚のようにスプーンでほじくることはできないですが。)

骨と骨の間の肉なのでとにかく味が濃いです。食感自体はそんなに柔らかくはないんですが、噛めば噛むほど味がでるというやつですね。

ゲタカルビの一本漬けという名前でツボ漬けになっているのを見かけたことがあると思います。それがこのお肉です。一本長いままで出してもらえると迫力があって面白いですよね。

希少部位という書き方をしましたが、肉屋的にもそんなに値をはるようなものでもないので、最近需要があがってきているのは嬉しいです。

バラ肉(前編)まとめ

また長くなりましたが、以上が中バラ肉の解説になります。

最後に軽くここで説明したことをまとめておきます。

カルビっていうのは日本語でバラ肉のこと

焼肉と言えばカルビと言うくらい有名ですが、じつはカルビって牛のバラ肉のことです。カルビを探している方は、ぜひ牛バラ肉でも探してみてください。

焼肉だけじゃなくて煮込みにもしても美味しいよ

バラ肉を焼肉にする時は絶対網焼きがオススメ!というかホットプレートはNGです。そして意外と煮込み料理にも会うのでぜひお試しあれ!

脂が多いけどかいのみや中落ちといった美味しい部位があるよ

脂の多いバラ肉にも赤身の希少部位カイノミが存在します。めちゃくちゃ美味しい部位なので、見かけた際は要チェックです。

以上です。今回はバラ肉の中でも中バラについて解説しましたが、近日中に外バラについても記事をアップしますね!

なおその他の牛肉の部位については以下のページでまとめて解説していますので、そちらもよかったらご覧ください。↓↓↓↓

⇨⇨牛肉の部位について肉屋が徹底解説します!

では最後までご覧いただきありがとうございました!

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