味の濃さなら牛肉で一番!コスパ抜群のウデ肉を紹介します

牛肉の部位について特徴解説シリーズ

こんにちは!シンタロウです。

今日も牛肉の部位特徴解説シリーズやっていきます。

今回紹介するのは、牛肉の中でも味が特に濃くてすき焼き用等の薄切りにオススメのウデ肉です。

この記事では

1、ウデ肉の特徴について

2、おすすめの料理方法

3、ウデ肉からとれる希少部位

という構成で解説していきます。

あまりメジャーではなく肉屋さんでさえ扱いに困ることの多いこの部位、ちゃんとした知識があればすっごくいい肉であることは間違いないです。実際僕の友達の肉屋でこのウデ部位のみで精肉店やってますってところもあるくらいです。

そんなポテンシャルを秘めたウデ肉の魅力についてせまっていきますので、ぜひこの記事を今後のお買い物や、外食の際に役立てせてください!

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ウデ部位の位置はココ!

まず、ウデ肉って牛のどこにある部位なの?てことで画像をはっておきますね。

この青丸でかこんだところ、肩と肩バラって書いてありますが、肩がウデ肉のことです。

ウデ肉は別名肩肉とか関東ではシャクシと呼ばれていますが、全部同じウデ肉のことです。

(肩バラに関しては別記事で紹介しますが、上の牛の図で見るとウデ肉と重なっているので同じところに書いてあるだけです。)

ウデ肉は牛の肩甲骨の周りのお肉です。で、牛肉って一般的に骨の周りのお肉になるほど味が濃いと言われてます。

実際その通りで、有名な骨つきのスペアリブなんかは味の濃さでファンの方が多いですよね。それはこのウデ肉についても同じことです。

肩甲骨って言うと結構大きい骨ですよね。その骨の周りにびしっとくっついているのがこのお肉なんで味の濃さに関してはもう天下一品です。

そこで、その味の濃いウデ肉ですが、肩肉とも呼ばれることから固いんじゃないの?って思う人が多いんですね。

次の項目で、その点について話します。

「ウデ肉=かた肉」は名前の通り固い?!

ウデ肉ってなんか固そうだけど、大丈夫?固くない?

僕がお店で「このお肉はウデ肉使ってますよ。」と言うとだいたい上のような反応をされます。

多分こういった反応をされる人って問答無用で固い肉=美味しくないと思い込んじゃってるんですよね。

確かにウデ肉は肉質的に柔らかい部位ではないですし、固い肉というものは美味しくないことが多いです。

例をあげると、輸入のウデ肉がスーパーに行ったときに厚切りのステーキとかで売られていたりします。でもこれは正直買わないほうがいいです。。これは固くて美味しくない肉です。もちろん焼き方や、料理次第で美味しくなりますが、誰でもが焼いて美味しくなる肉ではないです。

このウデ肉がなんで国産にしろ輸入にしろステーキ等の厚切りに向かないのか触れておきます。

まずこちらの写真を見てください。

これはウデ肉を薄切りで切った写真なんですけれども左と右で霜降りと赤身に分かれてます。

霜降りのところはもちろん柔らかいんですが、赤いところは肉質的に固めです。 さらにスジが入り組んでいるので、一枚の版が大きいステーキにして食べるとなんか硬いなぁっていう印象を持ってしまうと思います。 (柔らかいところがあっても一部が固いと、その固いところの印象のほうが強くなっちゃいますよね。)

じゃあウデ肉って結局どう食べるのが正解なの?

それについては次の項目でお伝えしますね。

ウデ肉買うならおすすめの調理は絶対すき焼きか肉巻きです

ここまで言うとほぼ分かるかとはと思いますが、このウデ肉すき焼き用か肉巻き用の薄切りがオススメです。 薄切りにすることで、ウデ肉の硬さはほぼ気にならなくなります。

しゃぶしゃぶ用でももちろんOKなんですが、しゃぶしゃぶについてはロース部位のリブロースの説明の所でも言っているのと同じで、しゃぶしゃぶ用に薄く切るとしゃぶしゃぶしたときにお肉が崩れて食べづらくなってしまいます。

↓ロース部位については以下のリンクページで詳しく解説しています↓

⇨⇨⇨牛肉の王様ロース肉ついて部位の特徴を肉屋が語ります!

その点すき焼き用になるとある程度しゃぶしゃぶよりも厚く切るのでお肉が崩れることなく美味しく食べれると言うわけですね。

このウデ肉のすき焼き用なんですが、数ある牛肉の部位の中でも特にオススメします。

完全に僕の個人的な好みもはいっているんですが、オススメするエピソードを語らせてください!

以前職場でこのウデ肉を使ってすき焼き弁当を作っている時がありました。お肉をカットする精肉の仕事がメインの僕にとって、イートインや弁当で1日30食くらい作るのは、慣れない仕事でクタクタです。

そんな中お昼休憩の時、店長に「それ一個食べていいよ」と言われ自分で作ったすき焼き弁当をもらったんですね。

最初僕は「ウデ肉のすき焼き弁当よりもロースとかヒレのステーキ弁当食べさせてくれよ、、」

なんて思ってました。やっぱり、ロースやヒレのほうが値段が高くて美味しそうでしたから。

でも、そんな考えは一口食べた瞬間吹き飛びました。

「ウデ肉ってめちゃくちゃ味が濃くて、美味いやん!」と。

僕は正直ウデ肉をあなどっていました。所詮はロースや肩ロースよりも安物の肉だと。。

今となっては肉屋の僕がすき焼き用に使う肉で僕が選ぶとしたらこれ1択です。値段も手頃ですし、味も最高!言うことなしですね。

これだけオススメするウデ部位ですが、実はその魅力はすき焼き用にとどまらないんです。

それを次で解説しますね。

ウデ肉の希少部位、ミスジ、ウワミスジ、カタサンカク

このウデ肉ですが、実はいろんな細かい部位があつまった集合体でもあります。

具体的に言うと、ミスジウワミスジクリカタサンカク)、マクラコサンカクの5つです。

この中には俗に言う希少部位なんていうのも含まれているのでそれぞれ見ていきましょう。

長くなりますが、興味がある方はぜひ見てください。

まずミスジですねこちらの画像をご覧ください。

まぁ見事な霜降りですよね。焼肉屋やステーキハウスなんかに行くと希少部位ミスジって書かれてメニューに載ってるの見たことあると思います。それがこの写真の部位なんですけれども特徴としては先ほどから固めと言っている腕部位の中でも飛び抜けて柔らかくて霜降りが豊かな部位です。

写真ではちょっと分かりづらいんですが、肉の真ん中に1本のスジがはいっています。そしてもうとっちゃってますが、上と下にスジがあるんで3つのスジがある肉、ミスジと呼ばれています。

牛一頭大体500キロから、5kgほどとれますが、本当に美味しい上の写真のようなミスジは2キロほどしかとれません。

牛肉の生食が法律で禁止される前はこのミスジを薄く切って刺身醤油でコッソリ食べてましたが、今ではそれも無理になりました。本当に美味しかっただけに残念ですが仕方ないですね。(今でも生で売ってくれというお客さんがいますが、ごめんなさい!絶対に生食用は扱っていません。)

次にウワミスジです。

ウワミスジの画像です。

この上ミスジはミスジに対して肩甲骨を挟んで反対側にある部位なんですが、とても柔らかい赤身の部位です。 残念ながら厚みがないのでステーキ用として出すことはないんですが、ちょっと厚切りの焼肉にして食べるとそのシルキーな食感のおかげでとてもおいしい希少部位です。

知る人ぞ知る部位って感じで、あまり目にかかることはないでしょうが、見かけたら買って間違いなしです!

ウワミスジの焼肉カット。絶品です!

お次はクリカタサンカク)です。一気に解説していますが、ついてこれてますでしょうか?

このカタサンカクは中に筋が入り組んでいてバラバラに分けることができます。

また細かくするの?

はい、細かくします。このクリ(カタサンカク)一筋縄ではいかないんです・・

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このバラバラに分けた状態のものそれぞれ硬さが違います。 柔らかいところはすごく柔らかくてステーキや焼肉なんかにもできます。でも硬いところはすごく硬いので、ここまでバラバラにしちゃうと後はミンチ肉や切り落としのお肉になります。 クリ自体牛1頭から8kgくらいとれるんですが、柔らかく食べれるのはミスジと同じく2kgほどしかないです。

このクリ(カタサンカク)、僕が肉屋になってしばらく経った頃「こんな希少部位があるんだよー」と言って調子に乗ってドヤ顔でお客さんにステーキとして振る舞ったことがありました。

でもこの肉は先ほども言ったように柔らかいところと固いところがあります、なのでその堅いところを食べたお客さんから「硬すぎるよ!ふざけるな!」 と言ってものすごく怒られたことがあります。

今となってはそのお客さんに申し訳ないことをしたなぁと思うんですが、それぐらいこのクリというのは扱うのは難しい部位なんです。

でもその特徴をしっかり押さえてしかるべき食べ方で食べることができた日には絶品です。

最後にコサンカクとマクラについてですがこの部位はすごく硬いので僕は基本的には切り落とし肉になります。 すごくマニアックな店では見かけることがあるかもしれませんが、まぁまず無いので特に意識する必要はないと思います。

忘れちゃいけないトンビ(トウガラシ)を紹介します

このウデ部位にはもう一つ美味しい部位が存在します。

正確にはウデとは独立した部位なんですが、僕たち肉屋が仕入れをするときにウデ肉として入ってくるので、ここで紹介しますね。

それがトンビ(トウガラシ)です。

牛肉の名前って面白いですよね。唐辛子に形が似ているからトウガラシって呼ぶんです。

関西ではトンビと呼ばれていたりして、なんかちょっとかっこいいです。

それがこれです↓

見てお分かりの通り赤身のお肉です。

形が細長く整っているのでローストビーフに向いています。和牛のトンビで作ったローストビーフ、うちの店でもよく焼くんですが絶品ですよ。

肉質が少し固めなんで厚切りのステーキには不向きですが、焼肉用くらいなら美味しく食べることができます。

精肉店やスーパーでは、なかなかトンビとして売られていることが少ないのが玉にキズです。。

ウデ肉について特徴まとめ

かなりマニアックな紹介の仕方をしちゃいましたが、いかがでしたでしょうか?

あまり意識することがないウデ肉ですが少しはこのお肉について知ってもらえたかと思います。

今回このウデ部位について押さえておいてほしいポイントを最後にもう一度おさらいしておきます。

その1、ウデ部位はすき焼き用として食べるならコスパに優れた最高の部位。

ウデ肉は味が濃くてお値段もロース肉や肩ロース肉に比べると比較的お手頃です。それにもかかわらず味が濃くておいしいので肉屋の僕が自信を持ってお勧めする部位です。

その2、ウデ肉部位からはいろんな希少部位をとることができる。

ウデ肉の中にはミスジ、ウワミスジ、クリ(カタサンカク)といった希少部位があります。それぞれ個性的で魅力的な部位なのでぜひ見かけたらチェックしてください。

なお、その他の牛肉部位の特徴については以下のページで分かりやすく一覧で紹介しているので、そちらもよかったらご覧ください。↓↓↓↓

⇨⇨牛肉の部位について肉屋が徹底解説します

今回の牛肉部位の特徴解説はこれで終わりになりますが、ぜひ明日からお肉屋さんや焼肉店に行った時にはこのウデ肉を探してみてください。これまでの肉ライフがより豊かになること間違いなしです!

今回の記事は以上になります。 今日も最後まで読んで下さってありがとうございました!

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